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taishiji 「音楽よさようなら」

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taishiji「音楽よさようなら」

香川県在住のbeat/sound collage アーティスト、taishijiによる初のフルアルバム。
サンプリングを駆使し、幾層にも重ねられたレイヤーが生み出す走馬灯のような音が繰り広げられる。全編にわたって、耳をひくメロディーと歪なリズムが混ざり合い、SEの概念を覆すサウンドコラージュが展開していく。耳の記憶を刺激する全19曲。
アルバムジャケットには、Killer Bongのアートワークが使用されている。

視聴
https://on.soundcloud.com/xwHVt6zzSoAqTJBdA

プロフィール:taishiji
香川県在住のbeat/sound collage アーティスト。2020年頃よりビートの制作を開始。ミュージックコンクレートやヒップホップ等の影響から、サンプリングを駆使し、ジャンルを越境する作品を生み出している。
近年の作品としては、自身の主宰するオンライン・アンサンブル、The taishiji Birds Ensembleの「Session1」や「BLACK TAPE」などがある。

〜コメント〜

万華鏡のように変化していく欠片。過去、未来を自由に行き来する時間と空間、自分のイマジネーションをふくらませ続ける、死の直前の走馬灯のように駆け巡るコラージュ体験。リリースおめでとうございます!! 

Junes K (ビートメイカー)

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切り刻まれたドラムブレイク、左右を行き来するローズピアノ、解体され新たに構築された歌、繊細でいて時に激しく攻撃的、それはオーソドックスなスタイルのビートミュージックとは一味も二味も違う。しかし決してリスナーを置いていかない。音楽は時間の経過と共に在りますがその事を忘れさせるような美しいアルバムです。

setta(ミュージシャン)

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「音楽」から切り取られ、ただの波形となったエレピ、ドラム、ヴォーカルは、ガラスの破裂音や鳥の鳴く声などの異物とともに雑然と並べられている。それらをコピー&ペーストし続け、液晶の上に出来上がった音のスカルプチャーが、アンビエントもヒップホップも、まして「ヴェイパー」やら「ローファイ」やらもとっくにくたばった場所で、まだ「音楽」のふりをしている……音楽よさようなら。マイルス・デイヴィスとムーディーマンをこよなく愛する寡黙な男Taishijiが、100万回のクリックで綴った、言葉なき別れの挨拶。

Kotetsu Shoichiro(ミュージシャン)

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カットアップされ、歴史的な時間と文脈から文字通り切り離され、再接合された今作は所謂サンプリング・ミュージックであり、手法的にはヒップホップの延長線上に存在するものだが、この音楽はクラブで人々を踊らせるためではなく、それぞれの生活の中で響かせるためにあるように感じられる。アルバムを聴きながら、あなたは映画を見たり、料理をしたり、友達と話したり、別の音楽をかけてもいい。日常の中で聞こえる様々な音、それらを拒絶するのではなく受け入れる、そんな懐の深さが彼の作品にはあるのではないだろうか。これは孤独な夜をあたたかく照らす灯火のような音楽。

(以下は彼との個人的な関係について振り返る自分語りのようなもので、読み飛ばしてもらってもいい。

taishijiと初めて知り合ったのは、同じ大阪の大学の音楽サークルに在籍していたことがきっかけだった。とはいえ、自分が卒業した入れ違いで彼が入ったため、所謂先輩後輩関係という形ではない。サークルの勧誘用に配布していたコンピレーションCD-Rに収録していた、Loren Mazzacane Connorsの影響下にあるギターでの即興多重録音の小曲を通じて私の曲を聴いてくれたのか、当時彼が企画しているというフェイク・ドキュメンタリー作品の音楽を制作して欲しいという連絡がtaishijiからあったのが全ての始まりだった。しかし、そこから数ヶ月後、企画は撮影した映像素材の消失により頓挫することになる。

ちょうどその頃、弾けもしないチェロを購入した私は、metohananosという音楽グループを開始した。参加してくれた4人のメンバーとも試行錯誤していたが、うまくいかないまま空中分解しかけていたところ、taishijiからライブイベントを開催するので出演して欲しいと依頼があり、まともに演奏できる曲は1つもなかったが、これがきっかけになって進み始めるかもしれないと思い、間に合わせの状態で出演したが結局すぐに瓦解した。それからしばらくして、taishijiから自身の音楽のための音素材としてチェロの音が欲しいとの連絡があり、即興的に演奏した録音を送った。完成した曲を聴いた時、もし彼と2人で演奏したらどうなるだろうかと思いつき、私のグループで一緒にやってみないかと伝えた。当時、彼は演奏経験がなかったように記憶しているが、快諾してくれたばかりか、アコーディオンを即座に購入した。なぜアコーディオンを選んだのかは今でも解らないが。

音楽をやりたかったのだが、コードや理論も知らない私には即興的な演奏はできても作曲はできないように感じていた。そこで当時、山のようにブックオフなどなどで買い漁っていた様々なCDからサンプリングし、ループしたトラックをつくり、その上で即興演奏するというのがmetohananosというグループの目指す方向性だった。その後聴くようになったが、当時の私はヒップホップを聴いておらず、逆にそれにより生み出される自由なイマジネーションもあるのではないかと考え、あえてヒップホップ的手法を取り入れた。菊地成孔と大谷能生のラジオ番組『水曜WANTED!』内で行われていた、複数の音楽を同時に再生するというDJミックスも、グループについてのインスピレーションの元になった。Kip Hanrahanの『Beautiful Scars』のように、即興演奏でありながら美しさを保った持った音楽にも強く影響を受けたが、グループの方向性に最も根源的な影響を与えたのはMono Fontanaの『Cribas』だった。当時は自覚していなかったが、ループした音楽、という点ではゲーム音楽からの影響も無意識下ではあっただろう。トラックは、Glenn GouldやMoondogを含む、ジャズやクラシック、ブラジル音楽やアルゼンチン音楽、様々な国と時代の民族音楽などから電子的な音は極力排除したものを選び、短くカットアップするのではなく、できるだけそれぞれの音を長く、演奏していることが感じられるように使用した。taishijiは元々ヒップホップが好きだったが、当時の彼が作ってくるトラックもどちらかといえば具体音を使ったミュージック・コンクレートのような作風で、もしかしたら私に合わせてくれていたかもしれない。

ジャズではない集団即興はノイズやフリーキーなものになりやすいと感じていたので、そこから離れるためにトラックを使用し、即興ではあるものの、構築的なものを目指した。トラックを延々とループさせ、演奏し録音した中でうまくいった箇所を選び並び替えるなどして最終的な音源として構成した。機材はポータブル・スピーカーと小型の録音機のみで、演奏する楽器も電子楽器は使わず、アコースティックな楽器を選んだ。私は主にチェロを弾き、taishijiはアコーディオンや鍵盤ハーモニカ、トライアングルや鉄琴を含むパーカッションなども演奏した。場所を選ばず、様々な場所でその場にある自然な生活音と共に即興演奏できるのが我々のチャームポイントだったが、母校の大学の教室に調律されたグランドピアノが誰でも弾ける状態で置かれており、2人共うまく弾けはしないものの、個人的にピアノの響きが好きだったのでよくそこを録音場所に選んだ。

taishijiと2人での活動が2年になろうとしていた頃、音源をどこかのレーベルに送ってみようかと考えていた時期に、彼から辞めたいという連絡があり、この関係は終わりを迎えた。それからtaishijiが香川に帰郷し、古着屋を始めてからも友人としての関係は続いている。

今作のリリースより前に発表された、taishijiの別名義であるThe taishiji Birds Ensembleの「Session1」を聴いた時、そのサウンドにかつての2人での活動が思い起こされ、嬉しくなった。)

宮本剛志

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